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アニエスによるヴァルダのgintaruのレビュー・感想・評価

アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)
3.8
アニエス・ヴァルダ本人による本人の作品と人生についての解説ドキュメンタリー映画。
彼女が監督した「幸福」を見た後、興味があって見た。
彼女が映画製作を長らく続けてきたキーワードは、ひらめき、創造、共有の3つだという。
基本的に彼女はドキュメンタリー作家であったことがわかる。もともと写真家出身であり、写真も紹介されていたが、ほぼ人物に焦点が当てられた写真であり、彼女の興味が人間の生き様に強く注がれていたことがよくわかる。
「幸福」の解説もしていたが、この映画をたとえて「美しい夏の桃の中に虫が入ってる感じ」と言っていたのが印象深い。
用済みとなったフィルムで「映画の家」や、カラフルなビニールのビーチマットや浮き輪でインスタレーションを作っていたのが興味深かった。
あちこちで現地の人の顔を写真に撮りそれを大きく拡大したものをどこかに貼って展示するというアート手法を試みていたのも面白かった。
ノルマンディーの海岸の落ちたトーチカでそれを行い、一夜で潮により消し去られ…というラストシーンは感銘深い。
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