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『明日を創る人々』に投稿された感想・評価

 昔観て結構いい印象だったが、かなり肩透かしの感。ある一家の物価高に困惑風景から始まるが、切返し·どんでん·角度サイズ変、が実にしっとりし、奥行きや美術·照明も侘びしくも存在感もあり、かなり感心も、同時にこの先に変調の目まぐるしさを招き難い、安定感がありすぎ感。母を別にして、製鋼会社の事務一筋で古風な父、映画撮影所に務める長女、SKDみたいな劇場の踊り子の次女と、3人の労働者代表でもある家族構成であり、それぞれに労働争議に繋がるか·只中の渦にいる。作業員はともかく事務の社員は大丈夫と高を括ってる父、映画製作が好きな分·ストに徹しきれない仲間とジレンマの長女、頭取のおじさんの老獪さに翻弄されがちに仲間といる次女、と明らか保守反動的父は別にしても、娘2人も戦闘的には染まりきれてない。二階を間借りし、子供を田舎に疎開させた侭の女性の夫が、鉄道会社の組合のリーダー。これらの組合·乃至はその萌芽が、業種違えど、地縁で、協力しあい、生活保障·経営参加の集会·デモ·互いへの応援を、アメリカに倣い、不退転で進めてく迄の話し。あまりリアリティはない。世代の齟齬は無くす所から安定家庭基盤の闘争が出来てく、と的はずれな愉しが内であり、事を殊更荒立てない指向がある一方で、経営側を能天気に信じてた父も突然の首切りで、闘争活動に目覚める、現実の非情も現れる。戦時中の内部留保の余裕があり、首切り縮小にも耐えられ、互いに一体化·連絡密にして、一歩先行く資本家側はしぶとく老獪(財閥は解体仕切れてなく、残存という)で、こちらも基盤から固めてくわりとのんびりめの闘い認識。団結こそが唯一の武器、多勢になり得る力あると、労働者側も、崩されてく度合いは少なく、少しずつ仲間を増やし、長期戦に耐えうる力を貯め·熱してく、戦術。それにしても、大人しく戦術らしい戦術とも言えない。
 古参故の説得力を期待された、老父の一大演説があるわけではなく、いかにも弁舌や清々しさがスマートにアピールする、森や中北の壇上の姿に留まる。敵や内部での、内的出血を見るような、衝突·軋轢のエネルギー噴出前に作品は終わり、直後に鎮圧に来なかったは、戦艦だけと言われた東宝争議の、予告らしきはまるで見えない。争議という手段の是非を問うレベル。俳優の表情か、薩夫らに比べると、かなり緩みめ。
 見ても監督タッチの差というのはよく分からないが、基本冒頭シーンの続きで滑らか·落ち着いてるが、不定期に顔アップを挟み込む臨場感や、屋外ロケの群衆とそのうごめきへのシャープな対応はあったりして、シナリオによっては、もっと映えた、映画捌きになり得た気もした。内容的にはともかく、もっとワクワクするタッチがあった記憶で、今世紀始めにか観に行ったのだが。しかし、及び腰過ぎる、旧風日本的姿勢には呆れめも、落ち着いたワンカット·ワンカットの叙述のレベルはしっかり味わえる。カットの進め方は、共同監督でパート毎の作家的独走はなくも、ベースの踏みかたは参考になる。
黒澤明監督がフィルモグラフィにこの作品を入れなかった本当の理由はわからないが、シンプルに映画として面白くないのでなんとなく気持ちがわかる気がしてしまった。

せっかく民主主義を取り戻したというのに、陳腐な筋もセリフもお構いなしに突き進んでくこの感じ。これじゃ戦意高揚映画と大して変わらず、正直期待しすぎたせいでかなりガッカリした。労働組合とストライキの必要性を説いた教育映画だと思ったほうがいいかもしれない。撮影所の隣でストライキをしている鉄道会社の組合員たちを助けようと言うので、座り込みに参加でもしに行くのかと思ったら、労働歌を合唱に行くだけという……。

1946年の東宝砧撮影所の様子がわかるのは映像資料的な価値がある。そして、撮影所スタッフたちの、良い作品を撮りたいけど労働環境や賃金が良くないと嘆く様子は、いまも変わらぬやりがい搾取の問題をいち早く明らかにした、この映画ならではの視点で良い。

そして主演の中北千枝子。こんな内容の映画でも健気に組合活動をがんばる姿はキラキラと輝いていて、翌年の『素晴らしき日曜日』の活躍が見えてくるようだった。

ところでこの作品が昔フィルムセンターの「高峰秀子特集」で上映されたらしいが、ほとんどカメオ出演に近い出番の少なさ(藤田進と一緒に一瞬本人役で出てくるだけ)でよくラインナップに入れられたもんだと思ったり。
半兵衛

半兵衛の感想・評価

1.0
1946年、アメリカの予想を大幅に超えて労働組合の力が強くなった東宝がはなった組合運動応援映画。はっきり言って作品は組合運動賛歌が前面に出すぎていて全然面白くないし、いかにもアジテーションっぽい会話や類型的な人物像が鼻について白けてしまう。唯一面白かったのはコテコテの関西弁で悪人を演じる志村喬と、名優とは思えないくらいわざとらしい台詞回しで労働者たちの境遇を嘆く高峰秀子(本人役)ぐらいだろうか。

ちなみにこの映画が公開されて以降会社を組合が牛耳るような形になり、公開する作品の方針にまで口を出すようになる(黒澤明は『わが青春に悔いなし』のラストを同時期に公開される新人監督の作品と被っているという理由で強引に変更させられた)。これを重く見たアメリカは当時自国でも左翼運動を押さえる傾向にあった(レッドバージもこの頃の出来事、また左翼運動に理解のあったGHQの人物もこの時期更迭させられた)ため、そうした思惑が1948年の戦車まであらわれた東宝争議に結び付く。ちなみに左傾化した東宝を嫌になった渡辺邦男監督が大河内伝次郎ら大スターとともに新しく設立された新東宝に入社するが、そのメンバーのなかに『明日を創る人々』に出演していた藤田進と高峰秀子がいるのが皮肉。