ガングリオン

僕の家族のすべてのガングリオンのレビュー・感想・評価

僕の家族のすべて(2019年製作の映画)
3.0
監督であるアメリカ在住のゲイ男性と祖国中国の保守的な家族の話。代理母で生まれた2人の赤ちゃんとパートナーを連れて中国を訪れる。

カミングアウトされたものの同性愛に対する偏見は抱えたままの家族親戚。次来るときは妻となる恋人も連れて来いと言う超保守的な祖父には事実を伝えられない。誰もが温かく受け入れてもらえるとは限らないリアルな家族の姿がある。
しかし敵意を向けられることはなく息子としての深い愛は変わらない。同性愛への不理解さは残っていても新しい家族は喜んで迎え入れる、彼らにとっては最善の受け入れ方なのだろう。

とはいえ善良な人達の無意識な偏見と差別をこれでもかと見せつけられるのでかなりうんざりした。ショックを受けることは仕方がないが悲しみを露わにされるのはたまったものではない。

そしてゲイカップルにとって代理母が単なる選択の一つとして存在してるのはかなりグロテスクに感じた。これに関しては否定的な視点が監督にないのが辛い。
保守的な家族のしがらみから逃れる為に渡米したのに結局血の繋がりを重視する価値観は受け継いでいる。