20年前にアン・リーが『推手』や『ウエディング・バンケット』で描いていたテーマのゲイ版/大陸版で、フィクションではなくドキュメンタリー。
40分という短いランニングタイムから、現代中国人気質の一端を確認できる。
作中で最も印象に残るのは監督の母の姿で「子育てを手伝いたい」とタブレット越しに涙を見せる愛情深さには、思わずこちらも落涙。
心から息子を愛し、信頼を寄せているさまが、カメラの背後の息子を見つめる彼女の眼差しからはっきりと伝わってくる。
また息子が同性愛であることにショックを受けながらも柔軟に受容し、共に対外的な対策を考える姿勢は、正しいとしか言いようがない。
このうえなくうざいようでいて「何が一番大切か」をしっかり掴む、ブレない姿勢が頼もしいのだ。
もろに文革世代の祖父とのやり取り、そして「彼にどう真実を告げるか」という展開からも、目が離せない。