荒野の狼

星屑の町の荒野の狼のレビュー・感想・評価

星屑の町(2020年製作の映画)
5.0
2020年公開の129分の作品で、主演は6年ぶりの映画出演となるのん。私は、岩手県出身であるが、岩手出身者にとっては、心からサポートしたい気持ちにさせる映画。のんは「あまちゃん」のヒロインを演じて以来、岩手県のCMに参加するなど、不遇の時代も、のんと岩手県は関係を大切にしてきた経緯がある。本作の舞台は映画では明らかにされていないが、出演者はのんも含めて東北訛りで、「あまちゃん」で登場した海沿いの鉄道のシーンもあり、岩手県の視聴者には、のん=岩手のイメージがあるので、舞台は岩手県以外には考えられない思いとなる。また、実際、ロケは岩手県の久慈市で行われており、本作の中で、のんが盛岡で公演をする話もでてきている。
のんは、過去に東京で歌手を夢見て苦い経験をし、地元にいながら夢を捨てずにいる設定。本作の撮影前の数年、トラブルで、のんが仕事上、苦しかったことが、本作の役柄とも重なる。また「あまちゃん」の中で、のんは歌手デビューする役柄であることも、不思議につながる部分である。
本作は、のんと、のんを応援する岩手県久慈市の気持ちがこもった作品であり、岩手県のファンには「あまちゃん」の続編のような感覚で見られる作品。なお、本作では、昭和の歌謡曲が随所に織り込まれており、特に、のんの高音の美しさや、戸田恵子の感情のこもった歌唱は、ストーリーと独立しても、素晴らしい。
荒野の狼

荒野の狼