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星屑の町のjamのレビュー・感想・評価

星屑の町(2020年製作の映画)
3.9
最近は映画ばかり観ていて、
舞台を観る機会がめっきり減ったけれど
以前はストレートプレイ、ミュージカル、小劇場と、演劇の魅力に取り憑かれて足繁く通っていました。

生の舞台の良いところは
挙げればキリがないほどたくさん
なかでも、役者さんの息遣いまで感じられる距離感とか、その日の観客と作り上げる空気感は格別だと思います。


ラサールさん、小宮さんの出演作もいくつか観たものの、この「星屑の町」はとうとう観ずじまい。
25年も続いた人気作、機会がなかったと諦めていた矢先の映画化に期待も昂まります。


ハローナイツのメンバー、舞台から誰一人として欠けることなく出演していることもあり、絶品です。
今回はのん演ずる愛ちゃんを軸にしたストーリーですから、おじさんたちのエピソードはあまり深く掘り下げてはいないけれど。
会話や目線、ちょっとした仕草などで彼らがこれまで築いてきたものが伝わり、物語の世界に入りやすくなっていました。


そして何と言ってものん。
あまちゃんへのオマージュがそこかしこに散りばめられて…そうか、久慈市で大規模にロケされていたのですね!
啓太←小日向文世さんの息子さん、星一くんが好演、とのデートのトンネルの水槽。
どこかと思ったら久慈地下水族科学館、というところ。
二人の照れながら…けれど、という雰囲気とぴったりで素敵。

愛ちゃんのキャラクターはのんへのあてがきでしょうか?
あのなまりがまた聞けて嬉しく、
そして芯の強い女の子はのんにあってますね。
そしてお話のポイントになる歌。
失礼ながら上手すぎない素朴な感じが、愛ちゃんの挫折にリアリティを持たせていて良かったです。

あと…
斬波、って⁉︎
純烈の少し若いVer.という理解でいいのかしら…


昭和感満載の"ムード歌謡"
父の運転する車のカーステレオでよく流れていた記憶がよみがえり
島倉千代子の"ほんきかしら"
とっても可愛いおんなごころできゅんとします。


コロナ騒ぎで、心がギスギスしがちな最近ですけれど
ほんわかしたこの作品が癒してくれました。
あー、落ち着いたらまた舞台を観に行こうかな…
jam

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