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黒い乙女Qのmidoredのレビュー・感想・評価

黒い乙女Q(2019年製作の映画)
4.3
養護施設にいた17歳の少女が養子にいった先にはそっくりの少女がいた。彼女も養子に来たばかりだと言う。怪しげな家や奇怪な隣人にもへこたれず、2人は急速に友情を深めるのだが…。奇妙なユーモアに満ちたホラー・サスペンス。監督脚本佐藤佐吉。

いやもう最初から最後まで楽しい作品でした。こじんまりとした世界観ですが、主演の2人がまず魅力的で、脇役もみんな個性が強くて、世界は常に不穏で奇妙でユーモラス。おまけに先の展開はまったく読めない。退屈する暇がありません。

お決まりのフィクションに退屈している人ほど楽しめるお話ではないかと思います。

しかも撮影地が『おいしい給食』と同じ埼玉県川島町なんですね。なんだか見覚えがある気がしました。川島町で撮影するのが流行っているのでしょうか。

主な舞台である昭和家屋と少女たちのお嬢様服も、まるで昭和のホラー漫画から出して来たようなのが作品の雰囲気をうまく作っていて良かったです。導入部の設定からして『赤ん坊少女タマミ』ですし、全体的に楳図かずおテイストを感じます。

あと、引っ越しおばさんネタは不謹慎ながら笑いました。星条旗柄のシャツは反則でした。立ち食いビーフシチューも笑いました。良い映画です。
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