そちょ

ANIARA アニアーラのそちょのレビュー・感想・評価

ANIARA アニアーラ(2018年製作の映画)
3.2
宇宙を漂う大きな船の中で救いがあるのかもわからない、むしろ一生をここで終えることさえある状況のなかで、人間がどうなっていくのかゆっくりと描かれた作品。



閉塞的空間とはいえどスパや娯楽施設もたくさんあるし、人々は退屈しないし絶望なんかあるようには見えなかったけど、それがだんだん狂い始めてミーマの自爆を機にカルト教団まで誕生してしまうし、人類の縮図を見ているかのようだった。

何年も経っていくうちに離陸直後は幼い子供だった者もしっかりと成長しているし、船の中で産まれる子もいるし、このままずっと船の中で繁栄していくのかと思いきや一つの宇宙的衝撃でいとも簡単に崩れ、船内は廃れていくのが静かな滅びって感じだった。

エンドロール直前、かつての地球のような星を目の前に漂うのがなんとも皮肉的。
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