RAMPO

ANIARA アニアーラのRAMPOのレビュー・感想・評価

ANIARA アニアーラ(2018年製作の映画)
3.0
う〜ん。
何というか。
コメントが難しい映画でした。
地球の縮図っていえばそのとおりかなとも思うけど…。

開演早々の事故で輸送客船アニアーラが火星軌道(航路)から外れちゃったのは別として、こうした宇宙SF物にありがちな、とんでもない緊急事態は殆ど起こらず、淡々と宇宙船内での日常が描かれていく。
確かにちょっとしたハプニングやエピソード、イベントが起こるものの、大きなストーリー転換はなく、時間だけが経過していく…。
細かい突っ込み所は多々あれど物語に重厚さは感じるし、文学的・哲学的でもあって芸術性は感じるものの、決して見応えが無い訳じゃないけど面白いかって言われるとどうなんだろ?
少なくとも好みは分かれるでしょうね。

個人的には、ちょっと合わなかったかな。自分自身ではどうにもできないって状況には希望を感じないし(夢や希望の持てない絶望的な環境に、ただ順応して生存本能に縋って生きているだけってのはどうもね。)、人類にはもう少し可能性を感じていたい(あれだけ大規模な宇宙船で火星航路を運行する技術力があって、リカバリーの方法や救援措置が何もないってのもねぇ。)ので、こんな未来予想図を見せられても…。

なお、ラストシーンの美しさ、そのバックに流れてくるテーマソングと、そこからエンドロールに至る余韻は素晴らしい。このシーン観れただけでも、頑張って最後まで見通した甲斐がありました。
その一点で観る価値ありです。
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