あっくん

炎の裁き/疑惑の炎のあっくんのレビュー・感想・評価

炎の裁き/疑惑の炎(2018年製作の映画)
4.8
以前から気になっていた作品を消化中🎶
…だけど、絶対に引きずるだろう作品だったので覚悟して鑑賞💦(・・;)
U-NEXT独占配信作品🌟

📞あらすじ
トッドとステイシー夫妻の家にて火事が起こり、まだ幼い3人の娘が命を落としてしまった…。
ステイシーは仕事で外出しており、火事発生時に自宅にいたトッドが殺人容疑で逮捕される。
裁判では素行の悪いトッドに不利な証言が相次ぎ、死刑判決が下される。

7年後、文通にて獄中のトッドと知り合った2児のシングルマザーのエリザベスは面会時、独房で少しずつ変わっていたトッドの会話から無実を信じ、冤罪の証拠を集めるべく奔走する。

📞感想
言葉を失い、涙が溢れました…。
怒りと無力感…そして悲しみ…。
あまりにも理不尽で不条理過ぎる冤罪をテーマにした社会派映画をエドワード・ズウィック監督が10年の歳月の経て完成したと言われています。
観終わった後、やはり数日間モヤモヤして引きずりました💦

1991年のクリスマス前に起きた悲劇。
逮捕されたキャメロン・トッド・ウィリンガムは死刑判決後から約12年間独房で暮らし、36歳の2004年に死刑執行されていますが、死刑執行後に数多くの検証結果で無実だった可能性が非常に高いと判明されています。

トッド自身は第一印象から疑われても仕方ない程の素行が悪い印象を持ちますが、だからといって雑な証拠や不利な証言、人柄や印象でやってもいない殺人の罪を着せるのはやはり間違っています💦

自身の子供3人を殺した罪を無理やり背負ったまま、命を絶たれた父親の無念は想像を絶するほどの絶望感かと思う…。もしも亡き娘たちが近くにいたら、そんな父親の姿を見てどう思うのでしょうか…。(とても複雑な役を演じたジャック・オコンネルが凄い✨)

人を裁くとはこういう事でしょうか?
正義って一体なんなんでしょうか?
これが現実なのでしょうか?
本作を観ると色々分からなくなってきます…。

シングルマザーのエリザベスは一筋の微かな光の様な存在感✨(ローラ・ダーンの演技力さすが✨)
彼女がいなければ、トッド自身が更なる苦しみを味わっていたと思いますが、エリザベス自身に起きた衝撃のラストに言葉を失いました…。
エンドロールではエリザベス自身のその後が説明されていましたが、エリザベス・ギルバートで検索すると、“食べて、祈って、恋をして”の作者になってました💦
本作オリジナルの役名なのか、偶々同名だったのか否か?。

また、死刑を止めようと奮闘する弁護士さんや最初は敵視しながらも少しずつ変わっていくトッドを信頼していく看守さん等も印象的🎶

1977年以降、アメリカ国内で死刑を実行されたのが1500人程でその内182人が処刑前に冤罪が確定し、社会復帰しています。(映画では158人となっている)
中でも本作の舞台であるテキサス州は死刑執行人数が多い州(約4割)で任期中のリック・ペリー知事は278人を死刑執行をしています。
本作の事件後にペリー知事によるもみ消し工作があったと言われています。

死刑執行を決めたペリー知事の実際のコメントがエンドロール映像されています。
死刑について質問する男性から「もしかしたら冤罪だったらどうするか」と訪ねた所、ペリー知事が公平な目線で判断していくと正当にコメントしていた事に凄く皮肉を感じました💢
そのコメントに対して拍手を送る観客者達にも複雑な気分です…。

調べてからも色々と考えさせられた作品でした…。

📞キャスト
監督はエドワード・ズウィック(ラストサムライ、ブラッド・ダイアモンド、ラブ&ドラック、ジャッククリーチャー)

キャストはトッド役のジャック・オコンネル(不屈の男・アンブロークン、マネー・モンスター、溢れる記憶の海で)

エリザベス役のローラ・ダーン(遠い空の向こうに、ジュラシックシリーズ、わたしに会うまでの1600キロ、ストーリー・オブ・マイ・ライフ、ビッグリトルライズシリーズ)

トッドの妻ステイシー役のエミリーミード(こちらでもジャック・オコンネルの恋人役だったマネー・モンスター、ナーヴ・世界で一番危険なゲーム)

看守ダニエルズ役のクリス・コイ(ヒュー・ジャックマンのフロストランナー)
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