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エターナルズのYYamadaのレビュー・感想・評価

エターナルズ(2021年製作の映画)
3.7
【マーベル・シネマのススメ】
マーベル・シネマティック・ユニバース㉖
【フェーズ4】エターナルズ

◆監督:
 クロエ・ジャオ
◆ゲスト大物俳優:
・アンジェリーナ・ジョリー
◆ミッション:
 ディヴィアンツから人類の防衛
◆ヴィラン:
 ディヴィアンツ
◆アベンジャーズ出演メンバー:
 なし
◆ポスト・クレジット・シーン:
 当面、秘匿

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・遙かな昔から地球に存在し、7000年もの間、陰から人類を見守ってきたエターナルズ。最凶最悪の敵サノスによって半分が消滅させられた全宇宙の生命は、アベンジャーズの戦いによって復活したが、その時の強大なエネルギーによって新たな脅威が誕生し、地球に迫っていた。
・その脅威に立ち向かうべく、これまで身を潜めていたエターナルズが再び集結する…。

〈見処〉
①「アベンジャーズ」を超越する
 新たな伝説が始まる─。
・『エターナルズ』はマーベル・コミックの「シャン・チー」を原作とした、2021年製作のスーパーヒーロー映画。「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」第26作目。
・本作は『ノマドランド』でアカデミー賞を受賞した、ハリウッド最旬の監督クロエ・ジャオがメガホンをとり、『アベンジャーズ エンドゲーム』後の世界を舞台を描く「MCUフェーズ4」の今後のストーリーが大きく展開される重要作品である。

②新チーム「エターナルズ」
・本作『エターナルズ』は、「マイティ・ソー」にて北欧神話のアメコミ化に成功したマーベルが、新たに宇宙神話を目指して1976年に発表した同名コミックを原作としたもの。
・太古の昔、地球を訪れた宇宙神たち=セレスティアルズは、人類の保護者となる超人族「エターナルズ」と邪悪な「ディヴィアンツ」を誕生させ、人類の進化の裏側の抗争を描いた壮大なストーリーを展開。
・しかしながら、原作コミックの人気は低迷。他のマーベルヒーローとのクロスオーバーも少なかったマイナーキャラクターゆえ、映画化にあたってストーリー展開は組み立て直されている。
・本作に登場する主要ヒーロー10人に対し、原作では男性であったエイジャック、マッカリ、スプライを女性設定に、マッカリを聴覚障害者、ファストスを同性愛者、セルシとギルガメッシュをアジア系俳優をにキャスティングするなど、ダイバーシティを意識したキャラクター醸成とキャスティングとなっている。

❶イカリス♂️ (リチャード・マッデン)
怪力と飛行能力を持ち、目からエネルギービームを発射する。戦略家でセルシの元恋人。エターナルズの戦術的リーダー。

❷セルシ♀️ (ジェンマ・チャン)
物質の構造を変化させる能力を持つ。現在はスプライトと二人でロンドンで暮らし、デインという人間のボーイフレンドがいる。

❸キンゴ♂️ (クメイル・ナンジアニ)
手から宇宙のエネルギーの発射体を発射できる。名声に魅了されたキンゴは、インドのボリウッド映画のスターとなっていた。

❹スプライト♀️ (リア・マクヒュー)
リアルな幻覚を作り出す能力を持つ。外観は12歳の少女だが、強く賢い。

❺ファストス♂️
(ブライアン・タイリー・ヘンリー)
人類の技術的進歩を密かに支援する、知的な発明家。MCUでゲイとして描かれた最初のヒーロー。

❻マッカリ♀️ (ローレン・リドロフ)
宇宙最速のスピードを誇り、その力で偵察活動を担う。MCUで最初の聴覚障害者のヒーロー。

❼ドルイグ♂️ (バリー・コーガン)
人間の心を操る能力を持つ。エターナルズのメンバーと意見が異なり、交流を避けている。

❽ギルガメッシュ♂️ (ドン・リー)
宇宙のエネルギーの外骨格を投影できる、心優しき最強のエターナルズ。セナのパートナー。

❾エイジャック♀️ (サルマ・ハエック)
癒しの能力を持つ、エターナルズの精神的リーダー。唯一セレスティアルズと交信できる。
 
❿セナ♀️ (アンジェリーナ・ジョリー)
戦うことを愛する勇敢な女戦士。エネルギーで剣のような武器を作り出す。

③MCUシリーズとのトリビア
・『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』にて、コレクターがパワー・ストーンの真の力をピーター・クイルに教えるために映し出したホログラムには、セレスティアルが登場。
・『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に登場するピーター・クイルの父エゴはセレスティアルズ。
・アベンジャーズを最強の敵サノスの父アラースは、土星の衛星タイタンの復興に励んだエターナルズの1人。サノスの兄弟、エロスは本作に登場。
・エターナルズのメンバーは、ドクターストレンジ、キャプテン・アメリカ、アイアンマンの存在を認識し、ソーと面識のあるセリフが登場。
・MCUの世界観を引く本作において、DCキャラクターのバットマンやスーパーマンが認知されているセリフが登場。
・本作の序盤で登場する、インド映画のスター、キンゴのプライベートジェット機内に『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』で登場した、逆三角形の「初代」キャプテン・アメリカの盾が登場しているようだ(鑑賞時に未確認)

④結び…本作の見処は?
話を広げすぎ。。
◎: メソポタミア文明、古代バビロン、アステカ文明テノチティトラン、インド・グプタ朝、ヒロシマ……。人類史の裏側にエターナルズの存在あり。史実と絡ませたそのストーリー展開は世界史に造詣が深い人にはたまらない設定。
◎:「マイティ・ソー」や「インフィニティウォー」を超える壮大な世界観は、MCU随一。今後のシリーズ展開は、見逃せない。
○: 大スター女優のアンジェリーナ・ジョリーが主演でないキャスティングに好感が持てる。また、近年激ヤセ気味のアンジーであるが、本作では久々に健康的な魅力を振る舞いている。
▲: 丁寧なキャラクター描写がされているが、いちどに10人の新ヒーローが登場し、なかなか理解が追い付かない。鑑賞前に登場予定のキャラクター予習をしておきたい。
×: マーベル作品の見どころである戦闘シーンが非常につまらない。クロエ・ジャオ監督の抜擢は失敗だったのでは?
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