ポテトヘッド

エターナルズのポテトヘッドのレビュー・感想・評価

エターナルズ(2021年製作の映画)
4.1
エンドロールが流れても動けない。
MARVELお決まりの『最後まで重要シーン』を見逃せないからではない。
その衝撃に撃ち抜かれ、よくよく噛みしめる時間が欲しくて立てないのだ。
当たり前のような毎度のクオリティに頭が上がらない。

本作で送られるメッセージ性とその見据える先は、まず分かりやすい。
全ての人、一般市民へと送られた、あらゆる多様性への寛容である。
だがそれは、実態の見えない全体主義的な怪しいものではなく、限りなく個にフォーカスしたとんでもなく丁寧な代物である。

多様性の理解についてのスローガンは、今や周りを見渡せば氾濫している。
けれどもよくあるそれらは、他者への八つ当たりでしかないことが多いせいで、流したくて仕方がないのが実際の所なのではなかろうか。

本作は、覚悟が違う。
決意が行動に現れている。
誰もこの手からこぼすまいと、あらゆる個性とその受容を描き切っている。
なるほど、これが愛か、と打ちのめされたのは僕だけじゃないだろう。
愛を謳うには到底何も足りていないことを分からされた。

何から始めようか。
まずはこのレビューを書いたので、スタートラインに立てている。
後はもう一歩踏み出すだけか。