全体的におもしろくなかった。部分的にもこのシーンが良かった、ここが印象的だったと挙げられるものが、私は無い。
所々なるほどな場面はあったものの、それは大掛かりで壮大な世界観でないと味わえない類のおもしろさではなかった。マブリーだって、キャスティングの時点であれくらいは担保されてる(ハリウッドデビューの意味はあるかもだけど)。
主役のセルシとイカリスの、何だか、ぐるぐる回ってる、湿っぽさに感情移入できなかったのも大きい。辛気臭い。
あとアンジェリーナ・ジョリー。私はあのキャラは合わないと思う。なんか重いし、悲壮感ありありだし、やつれた感がある。女戦士セナの宿命を背負いながら、もっとスカッと、明るく、軽やかに描いてくれたら、作品全体のテイストも変わったかも。アクションシーンのビジュアルや格闘スタイルも期待を下回った。せっかくのキャスティングが勿体ない。
良かったのは、複雑な永遠の12歳スプライトと、人を操る個性的な顔立ちのバリー・コーガンだった(こんな大きな物語なのに、キャラクターの話しか出てこないのが、自分の中でその証拠かなと思う)。