ねむたろう

エターナルズのねむたろうのネタバレレビュー・内容・結末

エターナルズ(2021年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

このシリーズは全作品追いかけており、本作にもとても期待していたが、正直なところ期待した程は楽しめなかった。

スーパーヒーローものは、当然にヒーローと悪役が大切なわけだが、まず本作では、ヒーローは崇敬や憧れを感じるような存在には描かれていなかったように思う。また、登場した10人のエターナルズは、どうにも多様性を過度に重視して描かれすぎているように感じられた。鑑賞後に、セナ役のアンジェリーナ・ジョリーのの「多くの人が初めて自分自身をスーパーヒーローと重ね合わせることになる」とのコメントを見て、それらは意図された野心的な試みであったことには納得したものの、自身としては政治的な要素も感じ、楽しみにくい大きな要因であった。

次に悪役であるが、悪役的な立ち位置であろうデイヴィアンツ、及びイカリスは悪役としての存在感がいかにも欠けており、魅力に乏しいと言わざるを得ないように思う。ディヴィアンツは、描き方や展開によっては、動機にも納得できる敵対的存在になり得たと思うが、本作の殆どの時間で、知性ない存在として描かれていたのは残念。イカリスは芯がブレブレで論外。

すなわち、本作には少なくともスーパーヒーローものとしての重要な要素が欠落していると言っても良いように思え、宇宙や生命の存在にまで関わる壮大な展開も、なんだか薄っぺらいもののように感じられた。次作以降への2時間半超のつなぎくらいの映像だと思っておくのが良いかも。

良かった点としては、各論的であるが、セルシ役のジェンマ・チャンは魅力的であったし、キンゴのマネージャー役は何だかいい味を出していたと思う。