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エコー・イン・ザ・キャニオンのfmのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

本作を観るとビーチボーイズ、バーズ、ママス&パパス、バッファロー・スプリングフィールド達はローレル・キャニオンのご近所さんで、なかなか濃厚な交流をしていたことがわかる。
ようするにロンドンみたいにミュージシャンが密集していたのである。
ファミリーバンドを組んだり、時々共作したり、トリビュートしあっていたのも、ご近所づきあいならでは。
この前観たフランク・ザッパのドキュメンタリーと似たところがあるなと思っていたら、ザッパも近所にいたようだ。

ジェイコブ・ディランが進行役として当時のローレル・キャニオンの魅力を語ってくれるのだが、「あんたの親父が一番凄いから!」という気にはなる。
ミシェル・フィリップスが「Busy Girl」だったと回顧するシーンやスティーヴン・スティルスのトンズラ話も楽しいが、やはりビーチボーイズに目が行く。
60年代のTV番組で司会者から「今後の方向性を決めるのは?」と聞かれたブライアンが「たぶん僕ですかね。作曲とプロデュースをしているので」と回答している横で、マイク・ラヴが若干笑ったあと横を向いて真顔になるシーンがハイライト。
ロジャー・マッギンがこう語っている、「バンド内の力関係は厄介だ。採用される曲が偏ってくると特にね」。

トリビュートライブでジェイコブが掲げた「時代を超えた名曲に手を加える必要はない」というテーマは真っ当であるものの、この映画が2020年のBLM以降に制作されていたなら、もっと多様なリミックスが聴けたのではないかと思う。
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