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この場所からもう一度のakrutmのレビュー・感想・評価

この場所からもう一度(2019年製作の映画)
4.0
恋人に浮気をされ、傷心のままに故郷に戻った女性建築士が、家族の抱える難題や新たに出会った男性との交流を通じて人生をやり直す決意をするまでを描いた、ラウラ・ノートンの同名小説を原作とする、パトリシア・フォント監督のハートフル・コメディ映画。パトリシア・フォント監督は主にTVドラマで活躍していて、本作が長編映画デビュー作となる。

クララ・ラゴが主演ということで以前から気になってはいたものの、ネトフリ映画ということもあって躊躇していたけれど、外れ覚悟で鑑賞してみたら、これが予想外に楽しめる良質の映画だった。主人公のベアや彼女の家族に降りかかる様々な困難も、ラテン系の陽気なノリで笑い飛ばしたり踊ったりすればやり過ごせるという感じが、妙に心地よい。

さらに、なかなか映画で見ることのできない、キュートなクララ・ラゴをたくさん見ることが出来たのも大満足。スペインを代表する大女優のカルメン・マウラが母親役で出演していることで、映画が引き締まっている。戻った田舎で知り合う男性を演じているアレックス・ガルシアもなかなかイケメン。でも、彼女の決断はこれでいいのだろうかと思っていたら、結末はやっぱりこうなるのか。まあ、この映画にはふさわしいと思う。

ところで、小人というアイテムは、スペインでは馴染みがあるのだろうか。どうしてもベラスケスの絵画を想起してしまう。
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