つるみん

プライベート・ライアンのつるみんのレビュー・感想・評価

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)
4.2
【誇れる人生を】

まず衝撃の冒頭20分間でした。
片腕を失った兵士が自分の腕を探しに持ち帰るシーン。内臓が飛び出ているにも関わらず死ぬ事ができないままただ叫び続ける兵士。肉片が飛び散り血がレンズにつくリアルさ。押し寄せる波は兵士の血で赤く染まっていた。
冒頭から戦争の悲惨さをリアルに描くスピルバーグの映像には言葉も出ない。


主人公のミラー大尉は、ライアン二等兵を戦場から救出するよう命じられる。ライアン二等兵救出作戦に同行した兵士たちと8人で既に死んでいるかもしれないライアン二等兵を探しに出る。
この時、8人を率いていたミラー大尉は自問する。〝命の価値とは何だ〟という事を。たった1人を救出する為にわざわざ危険を冒し8人の命も失ってしまうのではないかと。そこまでリスクを冒すことがあるのかと。

この〝命の価値観〟がラストに描かれる事になるのだが、もう涙で溢れかえった。

《人生を無駄にする事なく、しっかり生きろ》

ミラー大尉がライアン二等兵に言い放った、この言葉は我々に向けたメッセージでもあるのだ。考えなければならない。〝命の価値観〟を。
スピルバーグは映画を通して戦争を経験していない我々に強烈なメッセージを与えてくれたのだ。
つるみん

つるみん