わたがし

プライベート・ライアンのわたがしのレビュー・感想・評価

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)
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 初めて観た。ノルマンディー上陸作戦のくだりが散々いろんな映画でこすられすぎたせいで「ああ、これが例の」という気持ちで観てしまっているせいでもう既にこの映画の本質を体験できてない。リアルタイムで映画館で観たらもっと凄かったんだろうな
 絞りを開いてチカチカのカリッカリの映像で戦争を撮るとか、かなり強い手振れ下においてもスピルバーグやカミンスキーともなれば全然意図だらけの画になるんだなという感動とか、そういう技術的なところの感動はたくさんあった。
 どれだけ状況を切迫感を持った手持ちで描いても、キャラクターの感情的なところの揺れとか葛藤は絶対に安定したカメラで撮る。「手振れが心の揺れ」みたいなことをしないクラシカルな重みがある。
 ストーリーはそれまでの戦争映画への批評性とか、この公開時期だからこそ語るべきはずだった何かとかいろいろあるんだろうけど、今の脳みそと2024年現在の感覚ではぼんやりとしか文脈がわからなくて悲しい。勉強しましょう。
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