再鑑賞。戦争映画と言えば、この作品を思い出します。
映画の画を見せるやり方ではないにもかかわらず、見ごたえのある映像が続きます。
やはりというか、特筆すべきは冒頭のオマハビーチでしょう。人体破壊表現が容赦なく、完全に画としての美しさを棄てた描き方です。海岸に打ち上げられた魚の死体が、どれだけの機関銃が撃ち込まれたかを如実に表しています。生存する運がまるで介在しないと思い知らされるのです。
多数の兄弟が亡くなるケース自体は、当時そこまで珍しくないかと思いますが、ライアンの例はやはり軍部への批判的な世論の回避か、プロパガンダとしての意味合いが強かったのでしょうか。