すず

プライベート・ライアンのすずのレビュー・感想・評価

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)
4.0
アメリカ視点で見ていると、敵軍の命が憎むべきものに感じてしまっていた。これは恐い心理だと思う。戦争や紛争はいまも地球上に存在していて、この映画で描かれているような辛い凄惨な出来事が繰り返されている。戦死者には敬意を表しても、やはり美化されるようなものではない。そして彼らの犠牲は、繰り返す過ちの中に埋もれるべきではない。劇中での最後の死闘。憎むべきは戦争であり誰を咎めるというものではないけれど、無慈悲で皮肉な因果、勇敢に挑む者や戦いに散った者、仲間を見殺しにした者、各々の生き様とその後の人生模様を暗示するようなシーンは、戦場を越えた人間ドラマそのものだった。
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