スピルバーグ監督の戦争映画だが、
初鑑賞。
やはり本作で見逃せないのは、
現実味のある残酷な
戦争描写と言えるだろう。
冒頭のノルマンディー上陸作戦から
終盤に至るまで徹底して
リアルに描かれる戦争の惨状は、
今までの戦争映画でとても
現実味を帯びていた。
赤く濁った海岸線に欠損描写などが
普遍的に描かれる為、
戦争の凄惨さが気持ち悪い程に
強く感じられた。
物語としても戦争によって
歪んでしまう人間性が描写されており、
劇中の登場人物だとアパムが顕著に
その事を表していると思う。
初めて実戦に参加した彼の結末は、
見事にそれを体現していた。
又、一人の兵士を助ける事自体は、
戦争の戦局に大きく影響しないが、
最終的にその払った犠牲が無駄
ではなかったと感じられる
ラストは良かった。
戦争という非人道的で混沌とした
状況下における、
一個人の尊さが感じられた。
戦争賛美ではなく、
純粋に先の大戦で亡くなった人を悼み、
頑張って生きようと
思わせる映画だった。