叡福寺清子

スクールズ・アウトの叡福寺清子のネタバレレビュー・内容・結末

スクールズ・アウト(2018年製作の映画)
2.2

このレビューはネタバレを含みます

中二病はとても大切な病気でして,通常の患者さんは10代前半に罹患し20代前半には完治しています.先天的にこの病気の方がいらっしゃって,そういう人々を世間ではヲタクと呼んでます(違うか!?).中にはいつまでも治療を拒み30代40代までずっと罹患したままのケーズがあって,この場合にはムーの記事を真に受けたりカルトに入信したり,果ては共産党の入党することになります.最重症化するのは大人になってから発病したケース.目も当てられないほどに悪化するのは必定で,そうなりますと人生終わっちゃいます.色んな意味で.ご愁傷さま.

そして本作の主軸となる中学生は特進クラスの中でも特に優秀な6人.なまじ頭がいいだけに世を儚む度合いは相当なもの.終末論に取り憑かれ,生き残るための訓練のつもりか,互いを殴り合ったり潜水で何分息を止められるか,こそこそと放課後勤しみます.ひばり書房だかなんだかの図鑑を愛読していた身といたしましては,恥ずかしすぎて真っ当に観ていられません.「うわぁぁ小学生だった時の私だなぁぁぁ」って.と同時に「5才児が強制労働で携帯電話組み立ててる」とかいう都市伝説を真顔で語る幼さも持ち合わせいるだけに,余計に観ていていたたまれない気持ちになりました.
さらには,今は屠殺場の処理動画,東南アジアやアフリカのゴミの山とそこに住まう少年少女の映像が簡単に入手できる時代.それらを多感な少年少女が目にしたら,この世界マジクソと思うのは当然の事でしょう.というか,そうあるべきです.でもってリベラル思想に染まり反権力思考を持つに至るわけです.何故そんな事がわかるのかですって?私がそうだったからですよ.えぇ今では黒歴史ですよ.でもね,冒頭の中二病と同じで,若い時にリベラルになっておくことは大切な事だと思いますよ.中には70にもなってリベラルを貫き通し挙げ句9条教の信奉者になる御仁もいらっしゃいますでしょうけど.であるので,6人の行動は,とても正しい姿です.フリーセックス!!とか叫んで,毎日6Pに耽溺した挙げ句女子二人が誰のかわからない子供を身籠るよか,よほど健全な姿だと思います.

そんな具合で,ザ・チャイルドのつもりで視聴し始めたら,自分の黒歴史を目の当たりにして軽く動揺した清子であります.
監督さんがド真面目に「地球が危ない」的説教を展開している以上は,私としては評価を低くならざるを得ません.だってえてして,この人らの語る方法論って自分たちは安全圏内から発する現地の人間に不便を強いるだけですもの.そんなもん,誰が真っ当に聞くんですか.
「地球が危ない」兆しは,ベランダに迷い込んだ猫ちゃんから始まってたのでしょう.思えば,代理教師がそのかわいいかわいい猫ちゃんを汚いもののように追い出した時からすでに,本作の視聴意欲は減退していたのでしょう.とどめの発電所(これおそらく原理力発電所の設定なんでしょうねぇ)崩壊ですか.いや,さすがに恥ずかしくないのかしら,シッチェスもこんなん取り扱ったダメですよ.