ケンタロー

フリー・ガイのケンタローのレビュー・感想・評価

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
4.5
自らを【カナダ】と呼ぶほどにカナダを愛し、カナダに愛された男!
抱腹絶倒地獄絵図!天上天下唯我独尊!カナダのデッドプール!

そう、我らがライアン【ザ・カナダ】レイノルズ。彼ほど、その人柄が作品に出てウケる役者というのも珍しいのではないだろーか!?

トム・クルーズが何を演ってもトム・クルーズとか、キムタクが何を演ってもキムタクとかとはまた違う。レイノルズが演じながらも、その役を通して感じることができるレイノルズの人間性とカナダ人気質に魅力を感じている人って多いんだと思うんだけど、違うでしょーか?

だからこそ、当り役となった『デッドプール』でどんなに下ネタや悪態をつこうとも、中の人、レイノルズの優しさや真面目さ、スマートさが溢れ出てくるので、愛おしきおしゃべりクソ野郎でいられるのだろう…笑

本作では、そんなカナダ人気質をフルに発動させたライアン・レイノルズ演じるモブキャラのガイが活躍するストーリーなんだけど、まず脚本がまぁ素晴らしい!

原作もなくて完全オリジナル脚本というのがとても良い。もちろん、ゲームの世界観や設定は、現実にあるゲームをイメージしてたりもするのだけど、そこで安易に既存の有名ゲームキャラクターなんかで周囲をデコったりしないところが好感が持てる。

それに、そういった面白さは『レディ・プレイヤー1』や『シュガーラッシュ・オンライン』なんかで既にやり終えてることだから正しい選択だなぁと思う。だからこそ、クライマックスでのコラボレーションやカメオ出演が効果的でボルテージが一気にアガるわけだ♪

この手のストーリーのあるある展開として、運営側との戦いというのはもちろんあるんだけど、そこだけに重点を置かないってのが、また上手い脚本だなと感じた。タイカ・ワイティティ演じる運営側のボスがキャラ濃いめで非常に良いアクセントになっている。

『フリー・ガイ』が伝えてくれるのは、少し懐かしさすら感じてしまうほどのオーソドックスなラブストーリーだ。恋をした途端に、何でもなかった日常が途端にときめく日々に変わってしまうアレ。

ゲーム世界のモブキャラに過ぎなかったガイが恋をして、自我に目覚め、自由意志で行動することで、周りのモブキャラや現実世界の人間までもが感化されていく。そして、そもそもなぜガイが恋をするのか?そこが物語のキーポイントになっている。

ガイの親友バディの言葉が印象的だ。

「ゲームだろうが、現実世界だろうが、この瞬間はリアルだ!」

コレはねー、響くねぇ…。コレって『シン・エヴァ』で庵野監督が言うてるのとも同じだなと…。

ゲームであれアニメであれ、それ自体を現実世界と切り離して考えるのはナンセンスで、それが作り物だとしても、そこで体験したり感じたことはリアルだし、ゲームやアニメだからこそ得られる感動や成長ってのも確かにあるもの!

この他にも、小ネタやセンスの良い楽曲、サプライズカメオ出演と、たくさんの仕掛けや魅力がたっぷり詰まっていて面白いし、むちゃくちゃ笑えます😂

観終えた後にはガイが言うように「良い一日ではなく、素晴らしい一日を♪」って思える作品なのでオススメです👍