さく

フリー・ガイのさくのレビュー・感想・評価

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
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ライアン・レイノルズが超ハマり役だし、「名作」だと思います。ゲーム内の「モブキャラ」を中心にストーリーは進むわけですが、所詮我々庶民の現実なんて毎朝同じ時間に起きて、同じようなものを食べて、飲んで、同じような仕事をして…ゲームのモブキャラと一緒じゃねーか! という皮肉を込めたメタファーになんだろうと。銀行強盗さえ慣れてしまえば日常だ。選ばれし「勝ち組」上級国民には、声をかけることすら許されねえ!

しかしそんなモブキャラの我々にも「人生」があり、今日も明日も生きていかざるを得ない。だったらせめて無防備に両手を上げて降参するような人生ではなく、希望を持って生きていこうぜ!

(以下余談)
物凄く良い映画だと思うのですが、私自身がある種の「映画不感症」みたいになってしまって、最近どの映画を見ても学生の頃見た映画のような感動や衝撃を得られなくなってしまいました。

本作も見ながら「ああ、『トゥルーマン・ショー』的な感じね」とか余計なことが頭をよぎって、だから悪いとかいう訳ではないけれど、素直な感動を阻害していると言うか…

これは先日見た『OLD』でも思ったことだけど、学生の頃初めて見た『情婦』とか『スティング』とか『七人の侍』とか挙げたらキリがないけれど、そういった「こんなの初めて!」的な感動は早々味わえないのかと。最近では『バーフバリ』でそれを感じられたけど…

ひろゆきが好きな言葉として挙げていた「舌を肥やすな、飯が不味くなる」ではないけれど、映画を見続けることで意図しないままに舌が肥えてしまったのかも。舌が肥えたなら肥えたなりの楽しみ方を模索しないと。
さく

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