真っ黒こげ太郎

フリー・ガイの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
4.8
クソ平凡すぎるモブキャラが、クソいい人すぎるヒーローへ!

クソ期待してなかった映画が、クソロマンチックな快作だった!!!




決められた毎日を平凡に過ごす、背景モブキャラのガイ。
彼はある日、道行く中でサングラスを掛けた女性に一目惚れ!!!
彼女を追いかける為に毎日自分の勤め先の銀行を襲う強盗プレイヤーからサングラスを奪ってかけると、回復アイテムやお金等、見えないはずのものが見えるようになった!!!

色々あって一目惚れの女性、 モロトフ・ガールに出会えたガイは「レベルを上げたら話聞いてあげる」と言われ、サツバツ!なゲーム世界で善行を積んでレベルアップする。

そうして彼女とドンパチしたりして仲良くなったガイ。
だが、モロトフことプレイヤーのミリーから、この世界がゲームの世界であることを始めて聞かされる。
更に、その世界が後2日で終わってしまう事を教えられ…。




何でもアリなオープンワールドゲームの背景(モブ)キャラが、世界の真実を知り、正義のヒーローとして立ち上がる、SF・アクション・コメディ。

主演は「デッドプール」で一躍大人気となったイケメン俳優、ライアン・レイノルズさん。
クソ無責任ヒーローを演じた彼が、今度はクソ平凡な背景からヒーローになる姿を描きます!
…後監督のショーン・レヴィさんはあのロボット・ボクシング・スポコン映画の傑作「リアル・スティール」の人だったのか…知らんかった…。
(そこは「ナイト ミュージアム」シリーズの監督だろ!というツッコミを無視しつつ)

さて本作だが、冒頭で書いた通り、ぶっちゃけあまり興味が湧かんくて見る気が起こらんかった!!!
何しろ予告編を見るからに、CGのアクションマシマシな感じで、余りドンパチやドカスカアクションを楽しめる感じじゃなさそうだったんだもの。
まぁ、CGのアクションを全て否定するつもりはないし、CGのアクションでも効果的に使えば「トランスフォーマ」や「バトルシップ」、「パシフィック・リム」みたいに泥臭くて燃える映画が出来るのは知ってるけど、今回は内容が内容なのでMCU張りにライトでコミカルな感じだし、ゲームの世界だからそういう感じのCG演出メインであってそういうのは皆無そうなんだもん。

まぁ、それでもやけに評判高いのは気になってたし、「ゲーム感丸出しなCG演出でも映画館で見ればそれなりに迫力は出るかな…」という超消極的な感じで、公開終了直前の超暇な日に劇場へ行ってきました。



…マジかよこれ。

めっちゃ素敵やん。

正直、メッチャ期待してなかっただけに、予想外に面白かったです!!!


まぁ、お話は上記の通り、人死にまくりでモブキャラ巻き込まれまくりなタイプオープンワールド系ゲームの背景キャラな主人公が、美女に一目ぼれしたのをきっかけにプレイヤー用のグラサンをゲットしゲーム世界の真相を知り、色々あって世界を救うために立ち上がるという、まぁ予告編だけで見れば大体予想できるタイプのお話ですね。
(つーかグラサンで世界の真実知るってまんま「ゼイリブ」じゃねーか…早く気付いてたらもっと早く見に行ったのに(あっちと違ってグラサン付けるか付けないかで殴り合いはしなかったけど)。)

実際、本編も序盤の内は「予告編の時点で起こるだろうな」という感じの展開が多く「ああ、やっぱCG多めアクションだな(車のクラッシュは本物みたいだけど)」「殺伐とした中で平凡な生活送るガイは面白いけど、勝手に動き出したらマズイんじゃね?」「まぁ、それなりには楽しめるコメディタッチなCGアクション物か」と、テンポの良さと軽快な内容運びでそれなりに楽しみながらも上記の様な不満所が出たりしてました。

しかし、中盤辺りでモロトフのプレイヤー、ミリーと彼女に協力するプログラマ―青年のキーズ、そして2人に色々と因縁があるゲーム会社のお偉いさんのアントワーン(アントワーン・フークアさんのパロディ!?)達の”現実世界”で起こったお話が徐々に紐解かれてゆき、更にモブキャラのガイが目覚めたアレコレに関してが明かされてゆき、ストーリーが凄く盛り上がってゆく。

そして最終的には現実世界でのゲーム会社側&滅亡が開始したゲーム世界でのハラハラドキドキなクライマックスへとなだれ込んでゆき、物語が最高潮に盛り上がるのです!!!

そして、最後にはまさかの驚きと感動のロマンチックな展開が待つラストへ…。


…ネタバレになるため詳しくは書かないけど、まさかこんなにハラハラドキドキで、最後は爽やかで素敵なオチも待っていたとは、まさかこーいう展開になるとは思わんかったなぁ。
正直、やはりアクションはCG主体で、目新しいタイプのアクションは無かったが、展開のお陰で否が応にも盛り上がります。


また、レイノルズさん主演作お馴染みのパロディ要素やブラックジョークも良い味付けになっていた。
プレイヤー側がリアルでは見事なまでのオタクだったり、モブキャラが毎回同じ事言っているのに対しツッコんだり、CPUの敵キャラが未完成なまま出てきた為に決め台詞が「キャッチフレーズ!」だったりと、あちこちでコミカルなネタ満載。

そして最終的にはあの合併したアソコの映画からそのまんま過ぎるパロディが登場!!!
合併に関してはアソコの配信推しがしつこいし、その所為でネトフリでフォックス作品が見れなくなったので(爆)正直ウンザリしてましたが、今作ではいい方向に働いたと思ってます。
(まぁそれでもレンタルDVD出したり、フォックス作品だけでももっと自由に動画配信サイトで気軽に見れる様にしてくれよとは思うが。)

因みに例の盾と例のBGMで例のヒーロー映画のパロディやるシーンで「僕の盾が!?」と驚いてたプレイヤーの人、もしやと思ったら案の定本人でした。w
他にもカメオ出演として、強盗の内一人の声をドウェイン・”ザ・ロック”・ジョンソンさんが演じてる…って分からん!!!w



って事で今作、自分のしょうもない嗜好から外れてたばかりに(爆)、思わぬ伏兵として不意打ちを喰らった(笑)、まさかまさかの快作でした。
展開の面白さも勿論ですが、ゲーム世界にもリアル世界にも優しい目線で着地する姿勢が優しいし、社会のモブキャラな自分も何か知らんが頑張ろう!というポジティブシンキングが持てるぞ!!!(ただの能天気)

ホント、期待してなかっただけに予想以上に面白くて愉快な映画でしたね。
分からなかったカメオ出演も気になるしソフト購入しようかね。(そこかよ)