映画スニーカー図鑑

フリー・ガイの映画スニーカー図鑑のレビュー・感想・評価

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
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Under Armer UA Forge RC Big Ups Blue Camo (主人公:ガイが着用)

グラセフぽいゲーム“FREE CITY”のNPCである主人公:ガイ(ライアン・レイノルズ)が毎朝、通勤中に憧れの眼差しを向けていたスニーカー。プレーヤーのサングラスを奪ったり自我が芽生えたりと、色々あってお金が手に入り、いざ買ってみたら単なるスニーカーじゃなくてジャンプ・シューズ的なアイテムだった......
シューズは序盤、解体工事中の高層ビルでのチェイスのシーンで活躍。“逃避”は映画的ダイナミズムにおける鉄板とも言えるが、上方向への逃避は“自由”や“解放”を連想させられる。
チェイスのクライマックス、ガイは屋上のクレーンに吊り下がった鉄球にジャンプするが掴み損ね、あえなく落下する。ここでマイリー・サイラス“Wrecking Ball”が流れ、アメリカっぽいギャグでオチがつくものの、この曲で優等生的なディズニー・スターのイメージを振り払ったマイリーのキャリアはその後のシーンのガイの覚醒振りと重なるところがあり、ギャグではあるものの納得が行く選曲ではある。
ブルーの配色はガイのシャツの色と合わせているが、いわゆる労働者階級的な“ブルーカラー”のニュアンスともかけている...?デュードはレースやミッドソール以下がオレンジになってる別カラーを着用。
映画に登場するスニーカーとしてアンダー・アーマーが選ばれるのは非常に珍しいが、恐らくはマッチョな”FREE CITY”の世界観に合わせたのと、同年のライアン・レイノルズの主演映画『レッド・ノーティス』で共演したドゥウェイン・ジョンソン(アンダー・アーマーと長らく契約中)への、ある種の楽屋オチ的なイジりである可能性もある。
折角遊び心のあるアイテムなんだから、終盤のここぞというタイミングでもう一度この靴が活躍していれば、もっと"スニーカー映画”らしさが増しただろうに、前半のこのシーン以降は大した出番はない。勿体無いなァ。

衣装デザイン:Marlene Stewart
登場・コラボ:登場のみ