ShinMakita

鉄道運転士の花束のShinMakitaのレビュー・感想・評価

鉄道運転士の花束(2016年製作の映画)
1.9
老境に差し掛かった孤独な鉄道運転士イリヤは、搭乗中に線路を歩く少年シーマを保護した。10歳のシーマは、養護施設を抜け出した孤児。今朝両親が迎えに来たが、実はそれが養父母で、本当の親はシーマが赤ん坊の頃に非情にも施設に捨てていったことを初めて知ってしまったのだ。絶望し自殺するしかないと思い詰めるシーマを不憫に思い、イリヤはシーマを引き取るのだった。そして年月が流れ、シーマは鉄道学校を卒業した。イリヤに憧れて運転士を志望するシーマだったが、イリヤは断固反対する。運転士は、責任はないとはいえ、常に人を轢殺してしまう状況に置かれている。イリヤ自身も、昔トラウマとなる人身事故を体験しているのだ。そんな辛い思いをさせたくないと考えるイリヤに、シーマは素直に従うものの…



「鉄道運転士の花束」。セルビアの映画らしいです。


以下、男にキスはしない。それがネタバレのルール。

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老鉄道運転士と義理の息子。2人の親子の絆を描いたドラマ…と紹介しちゃうと、浅田次郎の小説か邦画のRAILWAYSシリーズの一編みたいですが、単なる泣け映画にしないでブラックユーモアで捻ってくるのが本作の特徴。シーマの実の親が絡んできそうな伏線(卒業式後の取材)などは華麗にスルーして、予想できない展開やシュールな幽霊演出なども飛び出し、なかなか楽しめました。紆余曲折あって念願の鉄道運転士になったシーマが、安全運転過ぎて事故を体験できずノイローゼになっちゃうなんて、想像できなかったよ(笑)。

イリヤの住居、というか向かいのシーダ&ディーゼル夫婦やオバさん心理士の住居が車両なのが凄く素敵。鉄道マニアにはたまらない家だよな、ありゃ。
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