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トムとジェリーのsithmaroのレビュー・感想・評価

トムとジェリー(2021年製作の映画)
3.5
主演のクロエ・グレース・モレッツの誕生日の2月10日に金ローで放送されたので鑑賞。
子供の頃によく観ていたハンナ・バーベラのアニメーション『トムとジェリー』の映画化。

アニメーションと実写を融合しており、基本実写の画に対し、人間以外の動物をCGアニメとして合成している。
この手のスタイルだとCGをリアルよりにしたり、3Dで表現するのが常だが、本作品では敢えての昔ながらの2D風で表現しているのが面白い。
2Dで描かれた動物キャラ達は当たり前だが実写の画には馴染んでいない。
しかし人や背景の動きに妙にシンクロしており、アニメーションとしての技術の高さに驚かされる。
画に合っていないのに、溶け込んでいるような不思議な感覚を体験させられる。

ただ私達おじさんおばさんが幼少時に観ていたアニメのイメージで見ると、ちょっと求めていたものちは違うという印象を受ける。
ネコのトムとネズミのジェリーが主人公ということにはなっているが、物語の中心にいるのはクロエ演じるケイラ。
ただ元が短編のドタバタコメディであり、毎回基本的なフォーマットで構成されている作品なので、長編として作る場合はこうした人間ドラマの合間に挟んでいくのが最も理想的なのだろう。

ストーリーが全体を通して特別面白いというわけでもないのだが、場面場面の可笑しさで見せていくスタイル。
しかしこの映画の最大の魅力はやはり主演のクロエの演技だろう。
表情豊かなクロエがキュートだし、そして撮る側も彼女の魅力をよく理解した上でその魅力を余すところなく拾おうとしているように感じる。
凡庸な作品を、より良く見せることができた作品ではなかろうか。
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