このレビューはネタバレを含みます
「なかったことにしないで。」この言葉にすべてが込められていたと思った。
ひかりは親に言われた言葉、親戚の一見思いやったかの様な言葉、育てたいのに育てられない葛藤、自分の不甲斐なさがずっと、ずっと縛られる様に苦しかったのだと思う。エンドロールのラストの朝斗の「会いたかった」という言葉を聞いて、きっとあの後朝斗と対面したひかりは、どこか濁っていた様な心が奥の方で静かに浄化されていったのだろうなと思わせられた。何だか、鑑賞し終わった後は、産みの親の子に対しての筋を全く感じないというか、そもそもどういう心境で出産したのか、本当にふたりを対面させて良かったものなのか、子は未就学児にあるにしても、多少たりとも混乱するのではないのかとかなりもやもやとしたけれど、血が繋がってるにしても繋がっていないにしても、この世の中には親子にはさまざまな型が存在するから、私がこうであるべきだと感じるもやもやは本来感じること自体がおかしいのだよな、と思わせられた。