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朝が来るのMypointofviewのレビュー・感想・評価

朝が来る(2020年製作の映画)
3.4
絵がとても綺麗だった。蒔田彩珠さん演じる、中学生のひかりの同級生との恋愛は、過去の自分の体験を思い出してしまうほど、生き生きとして、恥じらいと初めて他人に自分の心の柔らかい部分に直接触れられたという青春の恋を、まぶしいほどに純粋に表現していた。美しかった。

「あん」と同じ監督の作品で、人の心の純粋で柔らかで真綿に包まれた生まれたての真っ白な内面と、一生懸命真面目に、ただ生きようとする人を、その表情を、存分に見せてくれた。「あん」は、樹木希林さんはもちろん永瀬正敏さんが素晴らしかったが、今回の「朝が来る」であれば、新さんと蒔田彩珠さんの表情。

私は河瀬直美さんの映画は好き。美しいその瞬間の光を見せてくれる。

この映画を見て、恋人を本当に愛し、家族として大切にする気持ちが、まっすぐ美しく自分が生きるための支えになるなぁと感じた。私も心から好きな人と結ばれたい。過去の恋愛を思い出してしまった。

永作さんの奥さん役は、脚本は素晴らしかったが、子供を抱いたことがない女性には見えなかったし、残念ながらどこか悲しいものを抱えていても、微妙な感情が表情などにでないので、役者というよりもタレントという感じ。

それよりも新さんと蒔田さんのお芝居が素晴らしかった。