この映画、凄く良い。心にじんわり深あく来るね。
それは、物語の中で起こる出来事が生々しく描かれているからで、監督はドラマチックな見せ方をあえて避けたのであろう。
現実的な内容の映画をよくドキュメンタリーになぞらえるが、この映画の場合は少し違っており、生々しさを産んでいるのはキャストやスタッフの作りこみなのである。
現実と見まごうばかりに丁寧に作りこまれた演技や見せ方なのだ。
永作博美も夫や息子への愛情をさりげなく、でも強く感じられて良かったが、不運な女の子を演じた蒔田彩珠さんが最優秀女優賞。危うさを持つ普通の女の子、ではなく、事件がきっかけで危うさを持つようになった普通の女の子をきちんと演じられている。
これ、下手すりゃダークサイドに落ちたアナキンスカイウォーカーになってしまうのだ。(スターウォーズはああいった世界観なのであれでよいのです)
しかし浅田美代子、こんないい女優さんだとは知らなんだ。
登場した瞬間、一発で本職の人に見える。これは凄いことだよ。
これは、女性が作った女性のための映画だと思われます。
妊娠出産って女性にしかできないことですから。
いろいろ考えさせられもするけど、いい涙を流せる、そんな映画だと思います。
いやあいい映画観たな。