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カセットテープ・ダイアリーズのcookieのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ブルース・スプリングスティーンの歌詞がキーとなっている青春音楽映画🎵
とはいえ、B・スプリングスティーンの「ブ」の字も出ていないうちから、80年代の音楽の数々に心を掴まれてしまった🤩
ペット・ショップ・ボーイズやレベル42、a-ha、カッティング・クルー、そしてソニーのウォークマンも懐かしい🎶
マッドネス風のダンスまで!(ホンダ・シティのCMを後で検索してしまったw🚙)

主人公は16歳のパキスタン移民🇵🇰
人種差別やムスリムならではの苦悩が言葉を紡いで溢れ出してくる。
B・スプリングスティーンの歌詞とジャベドの思いがリンクするたくさんの音楽映像にグッとくる💫

彼の曲は知っていても歌詞にまで踏み込んで聴いたことがなく、「アメリカ万歳!🇺🇸」のような歌だと思っていた「Born in the USA」が、本当はああいう意味を持っていたとは!😲

シク教徒の同級生(エンドロールに本人登場)やクレイ先生(こんな先生に出会えたら素敵✨)、初めての彼女(政治に関心が深い。雰囲気がシンディー・ローパー)、妹(家での彼女とは違う!)、マットの父(意気投合する感じがいい👍)など、ジャベドの周りに良き理解者がだんだんと増えてくることで、希望の先を思い描きながら見守った。

親、特に父親(夫婦間では夫)には絶対服従。結婚相手は親が決める。宗教に関係のない音楽、特に歌詞付きは忌むべきもの。
...など、宗教上の考えを変えることは難しい☪️
それでも母親が満を持して夫へ胸の内を吐露する場面は、それまで家族のために尽くしながらじっと静観し続けていただけに、説得力があった。

家族(宗教上においても大切な繋がり)を突き放さずに夢も追いたい思いが、ジャベド自身の素直な言葉から伝わってくるラストも良かった✨

幼なじみのマットを演じるのは「1917 命をかけた伝令」で気になっていたディーン=チャールズ・チャップマン。マイ・ケミカル・ロマンスのジェラルドに似てないかしら💕w

隣家の老人👴、私もああいう人でありたいな。目を配り、本当に大切なことは真っ直ぐ伝えて応援してあげられる頼もしい人。見覚えがあると思ったら「フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールより愛を込めて」にも出演している。

監督は「英国総督 最後の家」で自身の祖父母の時代を描いたグリンダ・チャーダ🎬
若き日に「白い暴動」に出てきたRARの伝説のライブ🎸に足を運んだ一人で、BBCのレポーターからドキュメンタリー制作を経て映画の道へと辿ったそうだ。
そんな彼女だからこその視点が生きている作品。
「ベッカムに恋して」も観たくなった⚽

実在するジャーナリストの自叙伝が原作。映画ではいい感じに終わっているが、現実はそんなに甘くはなかった💦
ムスリムではない女性との恋愛結婚を選んだ彼の結婚式に出席した家族は、母と妹のみ(父は既に死去)。兄と姉とは絶縁状態だという。

ジャベドのような思いを抱えた人々だけでなく、特に宗教で抑圧する側にいる人たちにこそ観て欲しいと心から思う。

原題は「Blinded by the Light」
B・スプリングスティーンの曲名が由来🎸
(ザ・ウィークエンドの曲は関係なかった😅)
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