あやの

カセットテープ・ダイアリーズのあやののレビュー・感想・評価

3.6
音楽もの、青春ものはただでさえ見やすいのにさらに実話もの。
一層説得力あるし希望が出てくる。


ストーリーは期待通りの王道だけども、
父を悪役のまま終えないところ、
主役が独りよがりではない広い視点で考えられるようになったところ、
ここらが個人的には他作品と違って良かった。

父はインド映画ばりのクズ父?と思いきや、悩んだりともろい描写があるので人間味を感じた。まぁやっぱ威圧的だけど最終的には息子を認めて和解するし。
母も意外と言い返すし。

後者はブルース以外の音楽をけなしてしまった主役がちゃんと反省し謝罪したり、
父を拒絶対象として終わらせず家族への感謝の気持ちで締めくくったりと、
なかなかここまで回収してくれる作品ないので気が回る作品だなと思った。

あと色彩がキレイだった記憶。


80年代のイギリスって今作やリトルダンサー、シングストリート、リトル・ランボーズ等、
不況や古い慣習に辟易した少年が負けずに未来を切り開く、もしくは自分を貫く良作の舞台としてよく見るなぁと思った。
それだけ閉塞感に満ちていたのかなと…
あやの

あやの