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カセットテープ・ダイアリーズのtoshiのレビュー・感想・評価

4.8
ブルース・スプリングスティーンで運命を変えた青年の物語。

劇中ボスの曲のイントロ流れてテンション上がりますが、「お前が歌うんかいっ」が何回かあります。でもミュージカル風で悪くはありません。
因みにボスはそんなに聴き込んでいません。どちらかといえば佐野元春さんの方を良く聴いていました笑

時代は1980年後期。パキスタンから移住しイギリスの田舎町ルートンで暮らすカーン家族。長男ジャベドが今作の主人公です。ジャベドは詩や日記を書くことが大好きで将来は作家になりたいという夢が。親友マットのバンドに詩を提供する事もありますが、移民であり親の決められた将来が待っている夢も希望もない中で書くジャベドの詞は、1980年後期の若者にとってはあまりウケの良いものではありませんでした。
でも彼の才能をちゃんと見抜いている人もいました。但し今のままでは開花は厳しい。そんな折偶然学校で知り合ったループスから2本のカセットテープを借りる。それこそボスことブルース・スプリングスティーンのアルバム。カセットを聴いたジャベッドは衝撃を受け、物書きの才能を開花していく・・・。

素晴らしい作品でした。
カーン家族がパキスタン人という事から、当時の移民問題や人種差別も描かれていて移民の苦しい現実を垣間見ながらも、ボスの曲を聴くことで立ち向かうジャベドに観ているこちらも元気になります。
またほんの少しだけ差別する人が出てきますが、ほぼ完全に良い人しか出てきません。それがよかった。特にボスのカセットテープをジャベドに貸したもう一人の親友ループス、めちゃめちゃ良い人でした。こんな友達いたら落ち込んでいる時にいつも元気をくれるんだろうなぁと思いました。
お父さんも嫌な人かと思ったけど、若い頃に決意して移住してきてずっと気がはっていたんでしょうね。悪い人でなくて良かった!

曲の使い方とかベタですが、ボスの曲はそういう使い方が合っていると思いました。
ジャベドとマットの仲直りから彼女とイチャイチャシーンで、「やっぱりその曲使うよなぁ」となんかジーンと来れば、Born to Runの使い方なんてベタ過ぎて涙ボロボロ、マスクの中で鼻水びちゃびちゃでした笑

今作、実話に基づく作品です。そして元気をもらえる作品です。

【余談1】
フォローワーのKiKi様今作レビューにて、マット役の俳優さんがレオ様の若い頃に似ていると書かれていたので気を付けて観ておこうと思っておりましたが、似すぎていたので気を付けなくても良かったです笑
彼は今後若い頃のレオ様役で起用すると良いと思います。
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