たいてぃー

カセットテープ・ダイアリーズのたいてぃーのレビュー・感想・評価

3.3
イギリス発の音楽絡み映画。「シング・ストリート」は好きな作品であり、そんな感じではと思ったが、移民問題にブルース・スプリングスティーンとくれば、テーストは異なる。
主人公ジャベドは、パキスタンから移民した父母と暮らす高校生。同然ながら人種差別が出てくる。「パキ野郎」との和訳が好きになれんが、直訳なんかな?でも、音楽仲間や彼女もいて、青春してるんだよね。友人から借りたカセットテープで聴く、ブルース・スプリングティーン。歌詞が画面に流れるように出てくるのがおしゃれ。落ち込んだこの青年を勇気付けてる。1980年代の話で、聴く機材はSony製ウォークマン🎧。最近、観た「弥生、3月」や「さよならまでの30分」でもこのアイテム使ってた。和洋を問わず、やっぱりウォークマンなんだよね。
ジャベドの家の隣のおじさん(デヴィッド・ヘイマン)がよかった。要所要所で登場し、ジャベドに優しく接する。人種差別はナッシング。友人の父親(ロブ・ブライドン)もいい。昔ながらのロッカー風情でジャベドと意気投合。当然ナッシング。ジャベドの学校の先生(ヘイリー・アトウェル)も、彼の才能を高く評価。この人もナッシング。こうでなくちゃ。
でも、途中で出てくるミュージカルっぽいのがなんか噛み合っていない。これ必要なの?ブルーススプリングスティーンの故郷へ訪れるのも妙、金銭的に苦しいじゃなかったの?どうも原作が自伝で事実に基づいてってことで、こんな風らしいけど。
ラスト近くのジャベドのスピーチがいい。ベタと言えばベタなんだけど、若者が懸命に生きてく感がいいんだよね。抜け目無いね。