広島カップ

女囚701号 さそりの広島カップのレビュー・感想・評価

女囚701号 さそり(1972年製作の映画)
2.8
大分使って汚れている雑巾を洗って適当に絞り、小雨の降るどんよりした水曜の午後に干したような湿っぽい主題歌の歌詞にある"馬鹿な女の恨み節"が本作に付けるコピーとしてはピッタリで、タランティーノが大好き!という事が納得できる映像表現がそれを後押しをして来ます。

いきなりの冒頭の刑務所からの逃走シーンからして「もうちょいリアルにやっておくれ」と感じますが、人権無視も甚だしい女性刑務所の中の出来事をもしリアルにやられたら観ていられないとも思いますし、こんなキッチュな感じの誇張表現で女の恨みを描いて正解ではないかと思います。

"魔太郎が来る"(藤子不二雄作)の「コノウラミハラサデオクベキカ」的な世界を『リング』(1998)の貞子が真似したのではと思われる梶芽衣子の目でやった、ある意味ホラー的な展開でもあります。

一方で男の描き方もあまりにも馬鹿過ぎる。夏八木勲にしても渡辺文雄にしても室田日出男にしても揃いも揃ってその役柄が限りなく馬鹿っぽくて観ていて辛い。
"馬鹿な男の辛み節"とコピーしてもいいかもしれません。
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