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女囚701号 さそりのYOUのレビュー・感想・評価

女囚701号 さそり(1972年製作の映画)
4.5
伊藤俊也が監督を務めた1972年公開のサスペンス・スリラー。
篠原とおるの劇画漫画『さそり』の映画化作品である本作は、女子刑務所に服役された松島ナミが自分を裏切った恋人や虐待を加える看守、集団でイジメを繰り返す女囚たちに復讐を試みる様子が過度な暴力やレイプ描写を交えて描かれます。松島ナミの過去が語られる序盤では特殊なセットを用いた演劇的演出が印象に残ります。これまでの経緯が無駄なく語られるだけでなく、主人公視点から捉えた人間の醜さとそれに対する激しい怒りが伝わってきます。要所要所では現実離れした描写もありますが、女囚同士の同調圧力や看守の権力行使が当たり前のように行われている本作の刑務所は日本社会の縮図そのものにも思えます。そしてここまで散々痛め付けられてきた松島ナミが街へと繰り出し一人ずつ復讐していく終盤は最高にカッコいいです。そしてここでもう一度鳴り響く『恨み節』がこの場面を何倍にも盛り立てています。

「極端に台詞の少ない主人公」というイメージは主演の梶芽衣子が出したアイデアだそう。強く燃えたぎったあの”目”だけで100万点の映画です。




















































































ところでそっちのあんた目は大丈夫なのか?
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