うーん、なんか鈴木清順ぽいなあ。
ぽいだけで、それが映画のおもしろさに繋がってないのが残念だけど。
以下、レビュー。
伊藤俊哉のデビュー作で、たくさんの映像実験を試みているのだけれど、成功よりも失笑ものの失敗の方が多い。
そのジャンプカットはなんぞ?
そのスローモーションはなんぞ?
必然のない衒奇的な技巧は鼻じらむだけですよ。
というか、映像表現以前に演出がてんでダメ。こちとら『八仙飯店之人肉饅頭』の監獄拷問シーンを見てるんでね。明らかに当たってないパンチでバキッ!とか効果音つけられても何も感じないのよ。フワッと棒当てただけで、血が吹き出したり。で、その血がまた嘘くせえ色してんのな。あと、味噌汁よ味噌汁。どー見ても熱くないだろそれ。こんだけケレン味ある映画なんだから、肌の焼けるジュッ!て音とかつけなさいよ。全然説得力ないって。
暴力描写に総じて迫力がなく、そのせいで作品のテーマを完全に棒に振ってしまった映画。後半に進むにつれてドンドン適当になる脚本にもうんざりした。