タマル

女囚701号 さそりのタマルのレビュー・感想・評価

女囚701号 さそり(1972年製作の映画)
2.0
うーん、なんか鈴木清順ぽいなあ。
ぽいだけで、それが映画のおもしろさに繋がってないのが残念だけど。

以下、レビュー。

伊藤俊哉のデビュー作で、たくさんの映像実験を試みているのだけれど、成功よりも失笑ものの失敗の方が多い。
そのジャンプカットはなんぞ?
そのスローモーションはなんぞ?
必然のない衒奇的な技巧は鼻じらむだけですよ。
 というか、映像表現以前に演出がてんでダメ。こちとら『八仙飯店之人肉饅頭』の監獄拷問シーンを見てるんでね。明らかに当たってないパンチでバキッ!とか効果音つけられても何も感じないのよ。フワッと棒当てただけで、血が吹き出したり。で、その血がまた嘘くせえ色してんのな。あと、味噌汁よ味噌汁。どー見ても熱くないだろそれ。こんだけケレン味ある映画なんだから、肌の焼けるジュッ!て音とかつけなさいよ。全然説得力ないって。

暴力描写に総じて迫力がなく、そのせいで作品のテーマを完全に棒に振ってしまった映画。後半に進むにつれてドンドン適当になる脚本にもうんざりした。
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