デニロ

女囚701号 さそりのデニロのレビュー・感想・評価

女囚701号 さそり(1972年製作の映画)
3.0
1972年から映画を定期的に観始めた。その頃公開された作品。映画初心者の興味をそそるものではなかったようで、観てはいない。その頃から読み始めたキネマ旬報ではスタイリッシュな映像という評価を受けていた。数年後に上京、名画座等でいつでも観ることができると思いながら40年以上未見だった。

今後そうそう観る機会も多くはないだろうと思い切って出かける。わっ、横山リエ。

そうだよね。40年以上前の東映映画なんだものね。冒頭から凄まじいまでに女優の裸だらけ。エロスなどを感じることもなく即物的で。こんな風に女性の裸を撮ることに自分が撮っているわけでもないのに観ていて顔が赤らむ。評価されていたスタイリッシュな映像美というのは、歌舞伎や人形浄瑠璃を模した場面変換や、床下からの撮影などのことを言っているのだろうか。当時は斬新だったんだろうか。

梶芽衣子。
みんなにつられて裸で刃物を振り回していたけれどちっともイケてない。密偵の女性刑務官をレズビアンで骨抜きにする場面は笑いどころなんだろうけど、上映されている劇場はそんな雰囲気じゃなかった。こういう映画は封切で観て楽しまなくちゃいけませんね。
翌年、『仁義なき戦い 広島死闘篇』で戦争未亡人を演じる。そのときの切羽詰った美しさといったらなかった。そして寺内貫太郎一家、鬼平犯科帳はそのだいぶ後。鬼平のおまさも陵辱されていたっけ。

うーん。今となってはその臨場感を感じることは不可能で、観たいと思い続けていた歳月が虚しく思える。作品の出来とは、また別なんでしょうけど。

神保町シアター 夏休み特別企画/漫画から生まれた映画たち(2015) にて
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