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女囚701号 さそりのhasseのレビュー・感想・評価

女囚701号 さそり(1972年製作の映画)
3.0
演出4
演技4
脚本3
撮影3
音楽3
技術2
好み3
インスピレーション2

○「おしゃべりがすぎるんじゃないかい」(松島ナミ)

千鳥ノブがチャンスの時間で「僕は女囚モノが好きなんです」と言っていたのが頭に残っていて、辿り着いた作品。タランティーノが影響を受け、本作のテーマソングを『キル・ビル』で使用している。

寡黙さ、反抗的・挑戦的な目付き、流れるような黒髪が特徴的なナミのキャラクター、梶芽衣子の演技に尽きる作品。
伊藤俊也監督の、単独初監督だけあって意趣を凝らした演出もいくつかユニークで面白い。最初のナミの過去を振り替える舞台装置的な演出とか。ただ、ややキテレツが過ぎてストーリーから浮いてる感は否めない。

警察とヤクザの癒着、看守たちの横暴や保身、隠蔽体質など男性社会の腐敗にとどまらず、女囚たちのリンチも描く。その中で不撓不屈の精神を貫くナミの人気が出たのも頷ける。ラストの復讐パートの衣裳カッコいい。が、手口がプロすぎてリアリティはなかったが。

国旗にナイフを投げたり、君が代が流れる表彰式で表彰状が踏まれたり、監督の強い思想を感じさせる。

タイトルの「さそり」は内容無関係?
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