国立映画アーカイブ長瀬記念ホールOZUにて鑑賞。
国立映画アーカイブで開催中の「第45回ぴあフイルムフェスティバル2023」内の企画上映。
最新作『私の大嫌いな弟へ』が公開中、来日中のフランス人監督、アルノー・デプレシャンの特別上映もプログラムにある中で、監督が最も影響を受けた日本映画として、『女囚701号さそり』(75)を挙げられた(それも凄いことだけど(笑))ということで、主演の梶芽衣子さんも登壇の上映&トークショーが開催されたのである。
僕の今回の東京行きのお目当ては別件(笑)なのだが、せっかく東京まで行くのだから、何か映画関係のイベントが無いか探していたところ、バッチリぶち当たったのがこれ。
しかも、前から3列目という奇跡的な席が空いていたので、子供の頃からの憧れであった、梶芽衣子さんの「実物」を拝見できるということで、これはもうテンション上がるのなんの(笑)
こっそりDVDをお守り代わりに携えて、東京は京橋(当然、ここにはグランシャトーはおまへん)へ行ったと思いねぇ。
映画自体は75年というので昭和45年公開で、僕はみっちゅの頃なもんで、でも幼少期に父親の情操教育(笑)で、劇場で観たおぼえがあるので、リバイバル上映かムーブオーバーの三本立てで、布施か新世界かで観たのだろう。
とにかく、幼い頃にはこれがホラー映画のように思えて、それはおそらく女囚役の三原葉子さんが刑務所長役の渡辺文雄さんを襲う例のシーン(笑)のインパクトが強かったのだろう。
大人になった今でもあのシーンはホラーだ。
その後、今じゃ考えられないが、TVでの放映、そしてビデオ、DVDと何度も観ているが、大スクリーンで観たのは幼少期以来となる。
しかも、今回の上映は35㎜のフィルム上映だ(新世界東映はいつもフィルム上映だけれども)。
上映中いくつかのシーンで場内から笑いが起こったが、確かにいま観れば過剰な演出はシリアスを通り越してコミカルに見えるが、とにかく幼少の頃の僕には怖かったんだって。
でも、梶芽衣子さん演じるヒロイン松島ナミに降りかかる受難の数々は、幼心に意味がわからないこともあったけれど、なんというか妙なカッコよさ(そこにはあの寡黙なナミの眼力の鋭さも、インパクトがあったのだろう)があって、そこに惹かれたのだと思う。
本編上映後のデプレシャン監督と梶さんのトークショーはたっぷり約1時間‼️
梶さんからは撮影当時のエピソードがもう、誰か文字起こししてほしいくらいにディープな内容で、時折笑いも交えつつ軽快な語り口にグイグイ惹き込まれる。
何より、憧れの俳優さんが目の前におられるというだけで、頭がクラクラするほどの感動に包まれた。
一方、デプレシャン監督は、如何に本作が素晴らしいかというところから始まって、監督の中では梶さんはカトリーヌ・ドヌーヴと並ぶ俳優であると称賛の言葉が何度も飛び出す。うんうん逐一同感だ(笑)
また、さそりシリーズ以外の梶さんの主演作品についても言及されて、さすが好きな俳優さんのことだし、よくご研究されているなぁと。
で、監督がまだご覧になってない作品も多くて(僕はタランティーノじゃないので、という言葉に梶さん含め場内からも大爆笑が)と、これから観たい作品を幾つか挙げておられたが、『怪談昇り竜』(70)のタイトルに梶さんが「あれはやめて〜〜〜‼️」とおっしゃったところでも爆笑が起こる。
いや、個人的にはあの作品、大好きなんだけどなぁ(笑)
とにかく、夢のような贅沢なひとときだった。
最後に、トークショー中の写真撮影は、最初に禁止云々の案内が無かったので、場内のあちこちからスマホで撮影されていた。
僕もお咎め無かったので、何度か撮ったけれど、トークショーが始まってしばらくしてから、司会の荒木啓子さんから、最後に撮影タイムを用意しているので、撮影、録画は控えて下さい、と。
いや、そういうことはトークショー始まる前に案内していただかないと。
僕は録画はしてなかったけれど、おそらく客席の中には録画してた人もいると思うよ。
で、結局は撮影タイムといっても、マスコミ向けだけで、一般の観客向けには無かった。
イベント自体は申し分なかったけれど、そういうところに遺恨を残したりするんだって。
釈迦に説法かもしれないけれども。