HayatoHorigome

WinnyのHayatoHorigomeのレビュー・感想・評価

Winny(2023年製作の映画)
3.5
東劇の試写会にて鑑賞。
①Winnyという題材を今扱ったこと
当時自身は使っていなかったものの、周りで使用する友人からネットはテクノロジーの未来を魅了と危うさを感じていたのが事件の記憶。金子勇氏と弁護団が掲げて貫いた意志にとても心を打たれた。愛媛県警の汚職事件を絡めて演出したこともこの事件の影響力を立体的に描いたと感じた。そして金子勇氏らが費やした7年で失われた未来や可能性、それを取り上げた公権力やメディアの力も改めて感じた。トークショーで東出さんが仰った「物事は一面だけではない」「考えをやめず、考えさせるきっかけになれば」という言葉にとても重みを感じた。事実は無数にあるが真実は1つ、ということを描いた作品だった。
②東出さん演じる金子勇氏に感じたこと
率直に感じたのは「聖の青春」を思い出した。役作りとして体型や所作を寄せて偏りある形で演じるのは役者として当たり前なことかもしれないが、実在した人物を演じるにあたっていかに役作りに拘っているかを感じ、トークショーでご自身でも語っておられたのがとても印象的でプロフェッショナルであり、探究していると感じた。
③トークショーの率直な感想
キャストの話し、撮影での裏話、作品としてどう表現することでこの事件を今蘇らせメッセージとするか、松本監督と東出さんからそれぞれ語られて聞き応えのある時間だった。Q&Aでは遠からず事件に縁を感じる方が何人もいたことはただただ驚き。
④結論
おそらく事前評価や認知がとても低い。ただネット上で起きたよくわからない事件というだけの認識は改めさせられるはず。ぜひ劇場で観て、感想意見をネットで交換し合いたい作品。