今から約20年前にあった実際の事件の映画化。硬派な内容だけど、エンタメとして楽しめる要素もあり、法廷のシーンはリアルで臨場感があった。渡辺いっけいのきょどりっぷりと詰める吹越満は、未見の人にはぜひ見てほしい、俳優魂が込められた名シーンだと思う。
内容に関しては賛否あると思うし、この映画の内容がこの事件の全てではないと思う。この映画をきっかけに現代にも通じる日本の問題点をみんなで考えることが大事なんだろうと思った。
金子さんの言葉、「誰かのせいにすれば良いという事ではない、それでは前に進めない」が胸に響く。
何か問題が起こると誰かのせいにしようと犯人探しが始まって、見つけた「犯人」をつるし上げるように大騒ぎする。過去の歴史を振り返ってみても、現代でも、一番怖いのは、自分たちのいかがわしさには目を向けず、自分たちが正しいと熱狂する民衆だったりする。民衆は好き勝手なことを言うが、最後は責任をとらずに誰かのせいにする。そういう思考停止はいい加減止めなければ、と思った。
