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Winnyのjeffk4planのレビュー・感想・評価

Winny(2023年製作の映画)
5.0
凡才に殺される天才。
【○】
・貴方が「天才」だった時の、身のこなし方を知れる。

 人は上にも、下にも突出した人を敵と見なしてしまいがちです。
人間は集落(コミュニティ)を形成することで、個の弱さを群れで補う生き物ですから、その枠に収まりきれないものを排除することで、生存の可能性を高める。当然の心理です。
 しかし、それが仇となってしまった例がまさにこのwinnyです。
金子さんが作中で話されている技術やアイデアは「今で言う所のあれじゃん」というものが多々あり、それだけ時代を先取りしていたことがわかります。
 これは行けると思って提案したアイデアなどが周りに理解されず、採用されなかった、無下にされたという経験がある方。それはその瞬間貴方が「天才」だったということです。
コミュニティの理解を超えてしまったが故に、排除される。つまり採用されない。
そういう時にどうすれば良いのかがこの映画には描かれています。

・天才の成り方がわかる。
金子さんを天才とするなら、作中の金子さんを観察し、それを真似することで誰だって天才になることができます。
自分が興味を持ったことへの猟奇的な執着と集中力。
飽くなき探究心と底知らずの知的欲求。
「好きなものこそ上手なれ」
とは良く言ったものです。

【×】
・警察を嫌いになる。
 今作のヒール役になっているため、仕方がありません。
映画ですから勿論"フィクション"なのですが、にしては内容があまりにも現実味を帯びていています。
 今後のキャリアを警察関連に考えている方は今作を見ると心が揺らいでしまうかもしれません。

【雑感】
金子勇さんの死因は急性心筋梗塞ですが、心筋梗塞発症の危険因子の一つにストレスがあります。
作中にて「プログラム以外の会話を知らない」と話されていました。また7年という長い裁判期間。裁判は心的負荷が高いと聞きます。そしてこの裁判の原告は警察。

「凡才に殺される天才」がこれ以上出ないことを切に願います。
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