shalala

Winnyのshalalaのネタバレレビュー・内容・結末

Winny(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

記録



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金子さんが夢みたのは、誰もが自由に使えるwinny。それは少年の頃にわくわくしてポケコンを触っていた頃から何ら変わっていない。そんな金子さんに違法コピーを「満えん(作中表記)」させる目的なんてどうみてもない。だって、金子さんにとってwinnyのプログラムはみんなを驚かせ自分がワクワクするものだから。
法廷でも、いいアイデアがでてプログラムを打つ手がとまらない金子さんは子供のころから何ら変わってないのだ。はなから悪いものを作ろうなどと思ってない。たった二行を書けないことに葛藤する姿もいい。
そんな金子さんに対し、警察・検察側がスポットをあてようとするwinnyの裏の使い方…違法コピー。どうだ、ほら、こんな悪いことに利用されるものを作ったんだぞ、と金子さんを力づくで被告人にしていく。

かたや、警察官の仙波さんは警察の裏の姿に苦悩する。警察の裏金づくりという暗部を表に出すため勇気をだして告発したのに、警察庁からそんな事実はないと断言され、窮地に…。誰も助けてくれない…。警察に正義はないのか!?と暗澹たる気持ちになり、あろうことか命の危険もある。 とそこに、winnyを使って警察の内部資料が共有される。仙波さんの告発が正しいことを証明できる、警察が自作した大量の領収書とそのリスト。これがあれば領収書を作成した人に協力金が支払われているかどうか確認できる。winnyがもつファイル共有と匿名性を利用した、正にwinnyの表の使い方。
だってね、仙波さんほどの勇気はだせない。でも仙波さんを裏切り者として切り捨てる警察!全然アカンやん。そこでですよ。でてくるんですよ。winnyは匿名で出せるからこそ、内部から情報がでたというのがいい。正にwinnyだからこそ。
個人的には、仙波さんのニュースを見て涙目になつたあの若い警察官がwinnyにのせたかな?なんて勝手に想像してます。

最初は警察の裏金のストーリーが何で付いてくるんだ?と思ってみていたが、見終わってみると、winnyが持つ表と裏、警察内部の表と裏の対比になっていたんだと気づいて、面白かった。
警察関係者にとってはこの映画を映画館で鑑賞するのはちょっと居心地悪いかもしれない。

秋田先生が格好良く描かれていました。壇先生も若く温かみがあっていい。法廷の尋問は弁護士の胃がキリキリするところ。弁護士同士のやり取りや、金子さんに練習させて本場で上手くできたところはリアルで良かったです。

東出くん。役どころあってた。
部屋に戻っても部屋のパソコンは全て押収されていて、手持ち無沙汰だからカメラを持ち、撮影してる寂し気な表情は良かった。
エンディングの金子さん本人映像に涙が出ました。結末を知ってるだけに笑顔が辛い。

金子さん、日本で開発をする全後輩の道を切り拓いてくれてありがとう。
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