このレビューはネタバレを含みます
ファイル共有ソフトwinnyの開発者は罪に問われるのか?
プログラマー金子勇氏を中心に描かれた映画です。
Winnyを聞くことはありましたが、それはイコール悪の認識であり、危ないものだと当時はおぼろげに思っていました。
悪いのは違法ダウンロードに使う人であり、問題は公開してわかったシステムの脆弱性です。
その脆弱性も2行プログラムを追加すれば解消できると金子氏が言っているところが印象的でした。
システムの開発者が有罪になるということは、ナイフを使って事件が起きたときに、ナイフを作った人が罪に問われるようなものです。
裁判の争点は金子氏の開発の意図でした。
著作権は誰のためのものであるのか?
プログラムの開発者が罪に問われた背景はどこにあったのか?
見応えがありました。
また、開発者が罪に問われないという前例をつくることで臆することなく技術者が開発に打ち込める環境をつくることができたであろうことはこの裁判の意義でもあったのかと思います。
それでも優秀な技術者の時間が奪われたこと、何より金子氏が急逝されてしまったが残念です。
ビットコインの論文を書いた人が特定されておらずに日本人と思われるサトシ・ナカモトという名前が使われているのは何か皮肉のようなものを感じました。