サマータイムブルース

Winnyのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

Winny(2023年製作の映画)
4.0
2000年代初頭、世間を騒がせた“Winny”事件の映画化

2002年、開発者・⾦⼦勇氏(東出昌⼤さん)は、簡単にファイルを共有できる⾰新的なソフト“Winny”を開発、試⽤版を当時の“2ちゃんねる”に公開します
そして、その後、著作権侵害や情報漏洩を起こす利用者が続出したことで、社会問題にまで発展しました
違法アップロードを行い逮捕されるユーザーが出てくる中で、捜査は開発者にまで及びます

レストランでAとBがフォークとナイフで食事をしていました
すると2人は口論になり、AはBをナイフで刺し殺してしまいます
誰が悪いのか?
もちろん刺し殺したAが悪いです
では、ナイフを開発した人物は悪くないのか?
それを裁判で争う、つまり、そういうことです

いやいや、そんなの普通に考えれば悪いか悪くないか、猿でもわかると思うんだけど、なぜ金子勇氏は逮捕されたのか!?
京都府警が彼を逮捕した理由とは!?
真実に愕然とします

物語の大半は法廷劇で、とても見応えがありました
金子勇氏が素朴で呑気な技術開発バカで、その無防備っぷりにハラハラ、イライラさせられます
彼の弁護を担った壇俊光氏(三浦貴大 さん)、秋田真志氏(吹越満さん)などでチームを作り、一丸となって戦っていきます
特に秋田氏が警察側の北村文也氏(渡辺いっけいさん)を追い詰めていくシーンは爽快でした

もちろん史実なので、結果は周知の通りです
でも裏に隠された真実や金子勇さんの人物像とかは分からなかったので、今回新たな驚きでした

今、日本はノーベル賞受賞ラッシュですが、今後、取れなくなるだろうと言われています
それは、待遇や環境の悪さで優秀な開発者や技術者が海外に流出したり、今回のように告発されるリスクを恐れて萎縮してしまうせいかもしれません
それはなんとしても防がなければなりません

未来の技術者や若い人たちに、より良い待遇や環境を提供することが大切なのだと感じました