日本の失われた20年の原因の一つとなったWinny開発者の金子勇逮捕の映画化作品です。
金子勇の逮捕が2003年、ホリエモンの逮捕が2006年。Googleの株式公開が2004年、YouTubeの公開が2005年。日本のITは逮捕され悪者になった、アメリカのITは成功して時代の寵児になった。いまだに日本には世界的なIT企業はなく、GDPは世界4位に転落しました。利益率が高いソフトウェアと金融が育たなかったからです。
技術に正義も悪はないです。日本人の価値観に合わないからといって金子勇やホリエモンを排除したことによって日本はどんどん衰退しました。ボクはホリエモンは嫌いですよ。嫌なやつだと思います。でも、逮捕したのは間違ってました。
映画とは全く関係ない話からはじまってしまいましたが、本作のテーマはなんだったのか。ボクはそれを汲み取ることができませんでした。単なる不幸な事件ではないし、優秀な開発者が活躍する場が奪われただけの事件でもない。本作が扱っている事件は日本の数十年の停滞の根幹の話なのですが、そこまで伝わってこない。
東出昌大の演技はすごくよかったです。開発者の世間知らずでイラつく感じをすごくよく表現できています。「いい悪い＝有罪無罪」は好き嫌いじゃないんですよね。彼の演技だけはそれが分かっていた。
