クリーム

Winnyのクリームのレビュー・感想・評価

Winny(2023年製作の映画)
3.9
こんな恐ろしい事件が、実話だった事に驚きました。恥ずかしながら知らなかったです。警察に対して、恐怖と不信感を抱きました。そして、東出昌大さんが演じてる事に暫く気づかなかったです。中々、良かったと思います。PCの知識が無くてもずっと惹き付けられる内容で、私は観て良かったです。

2002年に2ちゃんねるで公開され、200万人以上のユーザーが利用していたファイル共有ソフト「Winny」。それを悪用し、映画や音楽等の違法コピーや情報漏洩問題が加速し、著作権侵害を蔓延するソフトとなってしまった。2004年、このWinnyを「47」のハンドルネームで開発·公開したプログラマー·金子勇が、著作権法違反幇助の容疑で逮捕。普通ならあり得ない「開発者の逮捕」に、彼と弁護団は法廷で戦う事となるのですが…。



ネタバレ↓



冒頭の家宅捜査や取り調べ、取調べの際に書かされた「Winnyを著作権侵害の蔓延を狙って開発した」と言う書類。かなり怖かったです。自分が金子さんの立場なら、後で書き直せるとか優しく言われたら、突然逮捕されパニックで、書いてしまうかも知れない。
裁判のシーンのでオドオドする金子氏にも共感しました。
何故、金子氏が逮捕されたのか?
Winnyが違法なデータの送受信やウイルス感染による情報漏えいを引き起こしていた為、 警察の機密情報が漏えいした事が、急な逮捕に繋がった様です。
事件の争点は金子氏が、著作権侵害を蔓延させるためにWinnyを開発したのか?という点でした。
弁護団と金子氏の主張は無視され、2006年に有罪判決が下されます。
その後、2011年に無罪が確定します。しかし、2年後、2013年に金子氏は急性心筋梗塞で亡くなりました。

警察が全て悪ではないと言うアピールと真相のヒントとして、裏金を根絶したい仙波さんが出ていましたが、彼も警察と言う組織と闘った素晴らしい人でした。この人のお陰で、「警察の裏金事件」が発覚した。
金子氏は一審で有罪になった時、罰金150万円を払っていれば、プログラムの世界に戻れたはずなのだが、彼はそれ諦めて裁判で闘った。それは、未来の技術者の為だったのかも知れない。
金子勇は警察の隠蔽工作に未来を潰された天才プログラマーだった。
腹立たしい内容だが、目が離せ無かったです。
吹越満さんが、格好良かった。そして、三浦貴大さんは、三浦友和さんの息子さんだったのですね。冴えない弁護士、良かったです。
クリーム

クリーム