猫目

Winnyの猫目のレビュー・感想・評価

Winny(2023年製作の映画)
3.8
東出さんの無邪気さが生きる役柄でしたね。三浦貴大さん、今回は遠視の眼鏡をかけて目が小さく見えて別人のようでした。2003年、ファイル共有ソフトWinnyで違法にダウンロードをしてばら撒いた人々が逮捕されたが、そればかりでなくソフトを開発した金子勇氏(東出さん)までが幇助罪の容疑で起訴され、長年に亘る裁判を闘うことになるお話。これは知れて良かった。

金子氏、プログラミング以外は何も出来ない天才肌。それ以外での自分を表現する仕方を知らないとか浮世離れしている故、純粋さにつけ込まれて、Winnyを著作権侵害を広げるために開発したと記載されている申述書(警察検察両方)にうっかり署名してしまう。
金子氏があまりにも有能なため、出る杭に例えられ、杭を打つときには打つ人間とそれを支える人間がいるはずだという秋田弁護士の説で崩れていく当局側の慌てっぷりに胸が梳く思いでした。

この方が表に出られなかったことで、コンピュータ開発技術で遅れを取ったのではないかとさえ言われている日本。ラスト、ご本人のメッセージにもありますが、「未来の開発者のために」闘った天才に世間の解釈が追いつかず、時代に翻弄されてしまったんだろうなぁ思いました。
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